そもそも土地価格とは?公示価格・実勢価格・路線価格・固定資産税評価額をそれぞれ解説!

不動産投資

そもそも土地価格とは?公示価格・実勢価格・路線価格・固定資産税評価額をそれぞれ解説!

よく地価という言葉を聞くかと思います。これは土地価格の略ですね。

でや一言に土地価格といっても、どのように算出されているのでしょうか?また何をもって土地価格としているのでしょうか?

 

この記事では、土地の価格の定義や価格の実際の調べ方について解説していきたいと思います。

また、各媒体が出している東京の地価ランキングについても触れていきます。

 

そもそも土地価格とは?値段は誰が決める?土地の売買価格の決め方は?

一言で土地価格と言っても、実は4つの基準から土地価格は決められていることを多くの人は知らないでしょう。

土地の価格を決める基準は以下の4つになります。

  • 公示価格
  • 実勢価格(国や公的機関が公表する価格ではない非公式)
  • 路線価格
  • 固定資産税評価額

 

それぞれ見ていきましょう。

 

公示価格(公示地価)

公示価格とは、資産価値を表す価格となります。最もメジャーな、土地の価値を表す指標とされています。

公示地価(こうじちか)とは、法令に基づき国家機関等により定期的に評価されている公的地価のうち、個別の地点、適正な価格が一般に公表されているもので、日本では地価公示法の公示価格を指す。

wikipedia

 

公示価格は国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に公表しており、地価公示法に基づいて、全国の分科会に属する鑑定評価員が毎年1月1日時点の1㎡あたりの正常な価格を判定しています。

 

公示地価算出の手順

公示地価算出の手順

 

調査点数は約2.6万点となっております。土地取引や、金融機関の担保評価に活用されます。住宅ローンなどを組み時は公示価格を利用し、金融機関が審査することになりますね。

 

尚、「基準地価(都道府県価格調査)」と呼ばれるものもあります。都道府県が価格審査を行います。

これは公示価格が1月1日時点の価格を公表しますが、基準地価に関しては7月1日に公表となるため、急激な土地価格の上昇などがある場合はこの2つの数字を参考にするのが基本です。

年1回の価格改定では、丸々1年相場の動きが見れないので対策が打ちにくいですよね。

 

実勢価格(国や公的機関が公表する価格ではない非公式)

実勢価格とは、実際に取引された土地価格のことです。

マンションを売買する際にも、取引業者や個人間で価格交渉しますので、単純に計算式では表せない価格ですよね。

 

ですので当然、公示価格と実勢価格は一致しません。公示価格をベースに、取引する人の状況に応じて価格は形成されていきます。

ただ、実勢価格は公示価格よりも、国の経済状況やその土地の将来性などを織り込んだ価格と考えられますので、実際に売買する際に実勢価格はとても参考になる指標となります。

将来開発が行われる、人口が増えるなどの要素があれば、当然価格は上がりますよね。ただ、どれくらい織り込まれるのかはわからない、という点は株式投資と同様ですね。

 

路線価

路線価とは国税庁の定義では以下となっています。

 

路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示しています。)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。

国税庁・路線価図の説明

 

その年の1月1日時点における主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を国税庁が毎年7〜8月に公表しています。

相続税や贈与税を計算する時に活用することになりますので、資産家は血眼になって路線価を見ています。

 

固定資産税評価額

難しい呼称ですが、定義をまず確認しましょう。

固定資産税評価額(こていしさんぜいひょうかがく)とは、固定資産税を賦課するための基準となる評価額である。 固定資産税は、市町村が毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋等(固定資産)の所有者に対し、その固定資産税評価額をもとに課税する税金である。

wikipedia

 

名前の通り、固定資産税を決定するために用いられるのが固定資産税評価額です。

固定資産税は原則、固定資産税評価額×1.4%で計算されますよね。

建設コストが高い家ほど固定資産税評価額は高くなる傾向があり、木造よりも鉄筋コンクリート造の家の方が評価額がまた高くなります。

 

その他、都市計画税、不動産取得税、登録免許税などの基準にもなります。

固定資産税評価額は市町村が決定し、3年ごとに評価替えが行われます。価格の確認は固定資産税の納税通知書で可能です。または市町村役場にある固定資産課税台帳でも確認可能です。

 

土地の価格(公示価格)を調べる方法とは?

我々は土地や住宅を購入、売却する立場として、公示価格が最も重要となります。

公示価格は、国土交通省のWEBサイト「土地総合情報システム」で調べられます。

 

それぞれの項目の見方はこちらのリンクで確認可能です。最初は慣れませんが、何度も見ていくうちに理解が深まります。

 

国土交通省公示地価の表示内容

国土交通省公示地価の表示内容

 

 

番外編〜東京の地価ランキング2023年

様々な媒体で住宅地地価ランキングなどが出ていますが、メッシュがそれぞれ違い面白いので見ていきましょう。

東洋経済の東京都の地価ランキング

以下は東京都の地価ランキングです。

東京都「地価が高い住宅地」TOP50

東京都「地価が高い住宅地」TOP50

 

こちらは実際に上記で紹介した国交相の公示価格公表サイトで確認できる内容を東洋経済がまとめたものですね。

溜池山王、四ツ谷、白金台、広尾、麻布十番と続きます。

溜池山王の「東京都港区赤坂1丁目1424番1」ですが、2017年1月1日時点の公示価格はなんと368万円/㎡だったとあります。

現在は512万円/㎡ですからこの6年で+40%弱も上昇したということになります。

 

東京都港区赤坂1丁目1424番1(溜池山王駅・虎ノ門駅エリア)の不動産鑑定評価書(2017年01月01日地価公示)

 

四ツ谷の「東京都千代田区六番町6番1外」は現在428万円/㎡ですが、過去の推移は以下となっており常に上昇してきています。2017年からは+14%、2013年からは+54%となっています。

東京都千代田区六番町6番1外の地価の推移

2013年 2,780,000
2014年 2,960,000
2015年 3,150,000
2016年 3,480,000
2017年 3,750,000
2018年 3,850,000
2019年 3,930,000
2020年 4,050,000
2021年 4,050,000
2022年 4,150,000

単位:(円/㎡)

 

値上がりしているように感じますが、円安を享受しているという印象が強いですね。

2024年以降、日米金利差とドル円の推移に乖離が発生してきている

 

ドル円は東日本大震災の70円台から現在は160円近い水準まで円安が進んでいます。

紙幣の価値が下がり、不動産の価値がドルと同じくらい上がったという典型的な10年だったように思います。

 

タンス預金するくらいならその現金で頭金を入れて、住宅ローンを組んで不動産を買わなければならないですね。不動産を買っていた人は円の減価を文字取り防ぐことができました。

そして、円安はここからも進んでいきます。

→ 1ドル200円時代へ向かう根拠を解説!今後の円安時代に備えて対策を取ろう!

 

土地代データ・東京都の市区町村地価ランキング

土地代データさんは市区町村で坪単価をランキングにしています。中央区が一位になっています。

順位 市区町村 地価平均 坪単価平均 変動率
1位 中央区 806万1125円/m2 2664万8347円/坪 2.36%
2位 千代田区 592万5933円/m2 1958万9862円/坪 2.25%
3位 渋谷区 466万5135円/m2 1542万1935円/坪 3.14%
4位 港区 411万5421円/m2 1360万4699円/坪 3.06%
5位 新宿区 341万4551円/m2 1128万7772円/坪 3.50%
6位 豊島区 160万2272円/m2 529万6769円/坪 4.67%
7位 台東区 156万2277円/m2 516万4554円/坪 4.21%
8位 文京区 133万7294円/m2 442万0807円/坪 4.51%
9位 目黒区 132万6760円/m2 438万5983円/坪 4.04%
10位 品川区 130万0474円/m2 429万9089円/坪 3.99%
11位 武蔵野市 110万0645円/m2 363万8496円/坪 3.13%
12位 中野区 94万4056円/m2 312万0848円/坪 4.87%
13位 北区 76万0036円/m2 251万2516円/坪 4.82%
14位 世田谷区 74万7349円/m2 247万0577円/坪 2.54%
15位 荒川区 70万4275円/m2 232万8184円/坪 4.71%
16位 杉並区 69万5883円/m2 230万0442円/坪 3.98%
17位 大田区 68万8867円/m2 227万7247円/坪 3.39%
18位 墨田区 68万1000円/m2 225万1239円/坪 3.94%
19位 江東区 66万3125円/m2 219万2148円/坪 4.06%
20位 三鷹市 55万0255円/m2 181万9027円/坪 2.55%
21位 板橋区 52万2628円/m2 172万7697円/坪 3.51%

 

1位が中央区・・・?と疑問に思う人も多いかもしれませんが、やはり銀座駅、銀座1丁目駅、東京駅辺りの地価が圧倒的に高いため、中央区全体の坪単価を引き上げています。

 

順位 地価平均 坪単価平均
1位 銀座駅 3135万8571円/m2 1億0366万4698円/坪
2位 銀座一丁目駅 2260万5000円/m2 7472万7272円/坪
3位 東京駅 2162万0000円/m2 7147万1074円/坪
4位 有楽町駅 2078万4285円/m2 6870万8382円/坪
5位 京橋駅 1565万0000円/m2 5173万5537円/坪
6位 新橋駅 878万0000円/m2 2902万4793円/坪
7位 宝町駅 765万0000円/m2 2528万9256円/坪
8位 東銀座駅 627万0000円/m2 2072万7272円/坪
9位 築地市場駅 531万0000円/m2 1755万3718円/坪
10位 新日本橋駅 460万0000円/m2 1520万6611円/坪

 

2位の千代田区は何よりも皇居、そして大手町駅、霞ヶ関駅など国を代表とする土地で溢れています。三菱財閥の庭、丸の内もありますしね。

3位は渋谷区ですが、原宿駅、明治神宮前駅、新宿駅、渋谷駅、表参道駅などが高い坪単価を誇ります。原宿駅がぶっちぎりです。

原宿駅については歴史を紐解くと面白いのですが、また別の機会に触れたいと思います。

 

リビングマッチ・東京都地価上昇率ランキング2023

次はリビングマッチさんの地価の上昇率ランキングです。

東京都地価上昇率ランキング

東京都地価上昇率ランキング

 

順位 エリア 上昇率 地価変動額(円)
1位 港区 1.65 81万7,600
2位 中央区 1.55 47万5,200
3位 品川区 1.46 26万9,700
4位 文京区 1.42 29万8,700
5位 千代田区 1.42 79万5,700
6位 豊島区 1.41 18万7,400
7位 北区 1.4 15万3,500
8位 荒川区 1.39 14万5,500
9位 渋谷区 1.39 37万3,000
10位 目黒区 1.36 25万8,900
11位 新宿区 1.36 21万5,200
12位 台東区 1.36 24万5,100
13位 江東区 1.31 11万6,500
14位 中野区 1.31 14万2,500
15位 墨田区 1.3 10万2,400
16位 杉並区 1.26 11万5,100
17位 武蔵野市 1.26 12万0,000
18位 足立区 1.26 6万6,300
19位 世田谷区 1.25 12万8,300
20位 板橋区 1.25 8万6,400
21位 稲城市 1.23 4万3,900
22位 江戸川区 1.22 6万5,300
23位 大田区 1.2 8万7,800
24位 三鷹市 1.19 6万7,800
25位 練馬区 1.18 6万0,500
26位 葛飾区 1.17 4万6,600
27位 立川市 1.15 3万3,200
28位 小金井市 1.14 4万1,900
29位 国立市 1.13 4万0,600
30位 西東京市 1.12 3万2,000

 

港区、中央区は分かっていましたが、3位に品川区が入っているのは意外でした。

工業地帯から生活都市・国際都市へと変遷してきた事実が、地価の上昇へとつながっていると考えられるとありますが、再開発はやはりインパクトが大きいのですね。

 

大崎駅といえば、大崎ウエストシティタワーズを思い出してしまいます。かなり前に建設されたタワーマンションですが、ガラス張りでかっこいいですよね。

4位の文京区は1に治安、2に治安と言われるくらい住みやすい地域だと筆者は認識しています。「春日・後楽園駅前地区第一種市街地再開発事業」が2023年12月に完了予定とのこと。

 

まとめ

今回は土地価格の基礎知識的なところをお伝えしていきました。

次回以降、地域別に特性、歴史、今後の価格見通しなどについて執筆していく予定です。

よく読まれている記事

-不動産投資